当院では、統合失調症、うつ病、そううつ病等の治療はもちろん、メンタルヘルスの諸問題について専門家と内科医のチームが適切に対応致します。
当院の入院病棟は3病棟編成で、1病棟あたりの病床数が28床から42床と日本の平均的精神病棟の病床数(50から60床)よりも少ないという特徴があります。このため、患者様の状態や病院内での対人関係も把握しやすく、スタッフとのコミュミケーションもとりやすいというメリットがあります。心の問題を抱え、苦しんでいる方は、不安が強いことが多く、この環境は、その不安を鎮める何よりの心の処方箋となります。
1病棟は、開放側と閉鎖側に分かれておりそれぞれ特徴の持った病棟となります。定数は38床(開放側:20床/閉鎖側:18床)です。
開放側は慢性期の経過をたどりながら病状は比較的安定しており、退院を目指す方が対象となっています。また急性期治療病棟での治療を終えた後、もう少し症状改善を目指す亜急性期の方、退院後の環境を整える為に当病棟へ転棟、他病院から地域移行目的及びリハビリテーション目的で転院して来る患者様も受け入れています。薬物療法や、生活療法及び各種リハビリテーション(作業療法、心理教育、同伴外出、同伴散歩等)などを取り入れ退院へと繋げていきます。
閉鎖側は回復に長時間要する方や、また高齢者や様々な事情で退院に至る事ができない長期入院の方が対象となっています。一人一人の症状に寄り添い、身体管理と精神状態の安定、セルフケアの維持ができるように援助しています。また各種リハビリテーションを行い(作業療法、スタッフ同伴が散歩、同伴外出)生活能力の向上を目指しています。
夕方から朝までは、両病棟の空間を共有し、患者様同士の交流や閉鎖側の患者様の活動性の向上を心がけています。
1病棟では、長期入院の方が多い事から、治療の場であるとともに、生活の場でもある為、入院患者様それぞれが安全に、そして安心して入院生活が送れるように日頃から癒しの病棟づくりを多職種と相談しながら連携して行っています。
2病棟は慢性期精神療養の閉鎖病棟です。
病棟の患者構成は、長期入院の高齢の患者様、退院調整が困難な患者様、合併症のある患者様、介護度の高い患者様、褥瘡のある患者様が大半ですが、急性期治療病棟での3か月を超えた患者様や他病院から地域移行目的及びリハビリテーション目的での転院等の受け入れ病棟でもある為、様々な年代の患者様も同じ環境で治療を継続されています。
日課としては、療養生活の中でも生活リズムが整い、日常生活動作の機能が維持できるように、ラジオ体操・作業療法活動の他、病棟レク・同伴散歩・同伴買い物・余暇活動(塗り絵・折り紙・DVD・CD視聴)等様々な活動を提供しています。
忙しい毎日ではありますが、スタッフは日々患者に現れる、言葉で伝えられない変化の意味を、心と身体の両方を看て読み取りながら患者様の心に寄り添う優しいケアを目指しています。また、患者様の自己決定を尊重し多職種と連携しながら心に潤いと活力が得られるよう個別性もふまえたケアの工夫もしています。
精神科急性期開放病棟で適応障害やうつ病などストレス関連疾患の患者様に対する緊急避難的入院や休息入院から一定期間の入院による生活力の向上を目的とする入院など、様々な患者様のニーズに対応しています。:18床)です。
統合失調症、うつ病、ストレスによる心身衰弱・パニック障害を含めた様々な心の問題・病気に対する評価及び治療を行います。
復職を目的とされている患者様には退院前または退院後に向けてのリハビリテーションの一つとして、医師・看護師・精神保健福祉士・臨床心理士・作業療法士などの専門スタッフによる復職支援プログラム(リワーク)の導入も行います。
病棟内に空を見上げるテラスを有し、大変明るい病棟環境の中で周辺散歩を含めた活動性、自律性の向上を目指すことにも適しています。また病棟生活の日課に、ストレス対処法として朝と晩のマインドフルネスや認知機能回復を目的とした手足の体操など行っております。
十分な休息が得られるよう、ゆったり過ごせる環境の提供をします。
個々の患者さまの能力を高められるよう、医師・精神保健福祉士・臨床心理士など他職種と連携しながら、集団精神療法や疾患別心理教育プログラムなどを積極的にとりいれ再発予防のための支援・指導・教育を行っています。
認知行動療法の考えを取り入れて、患者さまと一緒に生活記録表の振り返りを行い目標達成できるよう支援・指導を行います。
精神症状の悪化の為、構造化された保護的な環境(閉鎖)のもとで、医療的な保護と集中した治療の必要な方が入院される病棟です。急性期の低下した感情コントロール及び認知機能の改善を最優先に心身の安静に努めていきます。患者様の症状や状態を理解・把握し症状にあったさまざまな治療(薬物療法・精神療法・精神科リハビリテーション)を行っています。
患者様の日常の過ごし方や訴え等をとおし、「あれ?」と、まずはそれぞれのスタッフの感性で患者様の少しの変化を捉えて、そこから知識やデータ、多職種からの情報をもとに分析し対策が考えられます。日々、その感性を磨き知識を深めながら患者様の声を傾聴し共感的にかかわっていくことを大切にしています。
同時に患者様を支えるご家族のサポートをすることも患者様の回復につながります。入院に至るまでのご苦労や疲れ、また今後の不安などでいっぱいの家族の気持ちを受け止め、より良い治療効果へと結びつくように多職種と連携してご家族へのかかわりを大切していきたいと考えています。
集中力の向上や各種作業プログラムを行うことにより、その瞬間の自分自身の感覚に気づき、否定的や怒りなどの偏った反すう思考から離れる練習にもなります。
入院後、少し落ち着いた段階で参加開始となります。多くの方が参加される入院中の主要なプログラムです。