脳内の神経伝達物質であるドーパミンの異常による病気と言われています。ドーパミンの他にもグルタミン酸やセ ロトニンなどに関与していると言われていますが、詳しい病態は不明な部分も多いです。
おおよそ 100 人に1人が発症すると言われています。男女差はなく思春期~ 30 代頃までに発症することが多いです。女性は中年期に発症するケースも多く見られます。
大きく分けて3つあります。
1 陽性症状
2 陰性症状
3 認知機能障害
1 薬物治療
薬物治療の中心は抗精神病薬になります。抗精神 病薬は脳内のドーパミンをはじめとした神経伝達物質の受容体に作用します。抗精神病薬と一口に言っても現代では沢山の種類があります。「始めてみたけど効果がない」「副作用と思われる症状が出て困っている」 などの問題が出て来た場合は、他の抗精神病薬へ変更する、副作用止めのお薬を併用するなどの対策があります。
一人で悩んだり、自分の判断で止めたり調節したりせず、 担当医と相談しながら治療を続けていきましょう。
2 心理社会的治療
薬物治療だけではなく、生活習慣を見直しストレスをコントロールすること、疾患上手く付き合うために正しい知識を得ることも大切です。担当医や医療スタッフと日常生活での困りごとや症状について話し合いを持つ、 勉強会に参加するなどして疾患との付き合い方を身につけて行きましょう。また、デイケアなどでのリハビテーションも有効です。デイケアでは、規則正しい生活リズムを身につけること、集団に身を置いて日中活動するための体力作り、人とのコミュニケーションの練習などが行えるので、陰性症状及び認知機能障害の改善に大いに役立ち、社会復帰への足掛かりになりえます。
典型的な症状が最初から現れるとは限りません。初めは、「眠れない」とか「なんとなく不安で落ち着かない」などの些細なきっかけから始まることも少なくありません。また、一度良くなっても早すぎる治療中断によって症状が再発することもしばしば見られます。早く治療を始めること、担当医や周囲とよく相談しながら正しく治療を続けることで、症状をコントロールしよりよい社会生活を送ることが出来ます。抱え込まずまずは、相談していきましょう。